「自立・自律・連帯」の教育スローガンを掲げた私立の女子中高一貫校。「キリスト教精神に培われた、教養あふれる女性の育成」を建学の精神として、本年で開学127年を迎える。
【中学校】
〒461-0011
愛知県名古屋市東区白壁3-24-67
【高校】
〒461-0011
愛知県名古屋市東区白壁4-64
国内で1,2を争う歴史あるセーラー型スタイルはそのままに、蓄熱保温や暑さ・寒さを和らげるデオドラント機能など最新の衣料加工技術を取り入れました。袖口を成長に合わせて伸ばせる成長対応仕様、パターンを変更しすっきりとしたシルエットの実現など、細部にまでこだわって作られました。
複数のメーカーによる縫製で生地・パターンに少しずつ違いのあった制服をメーカー一元化により統一されました。
制服縫製の一元化で
“統一感”ある制服に
「本校は1889(明治22)年に創立。今年で開学127年を迎えます。当然制服も伝統があって、1921(大正10)年に標準服として採用。セーラー型制服としてはわが国でも1、2番を競うほど古かったといわれています」
金城学院中学校・高等学校(深谷昌一校長、生徒数2020人)の長屋頼子高等学校副校長は、微笑みながらこう説明。「本校の場合は、その伝統を最大限に尊重して在校生や卒業生に愛され続けるデザインを変えることなく、最新の衣料加工技術をとり入れた服地を用いることと、メーカーの“一本化”による『一元縫製化』を採用することでした」と続ける。
実は同校の制服、これまでは地元のデパートや衣料品店などが小売店として参加。生徒と保護者は、それぞれ依頼しやすい小売店を選んで制服を発注していた。
「すると小売店はそれぞれが提携しているメーカーに対して発注します。当然、生地はもちろんパターン、タックの入れ方などなどどうしても微妙な違いが出てきます。結果どうなると思いますか? 縫製するメーカーが異なるのですから、どうしても制服には欠かせない要素=『統一感』が得られません」と長屋副校長。例えば生地が違うと日光があたった場合、本来は濃紺であるはずの色が明るい紺に見えたり、さらには「小売店によっては可愛いからとタックを増やしたり。本来は統一されていなければならないのに、微妙な違いが出ていたのが実情でした」
そこで2014年5月にこうした実態を解消しようと「制服縫製一元化プロジェクト」(通称:制服プロジェクト)を立ち上げ、制服の高機能化と制服メーカーの“一本化”を目指して検討を開始した。
「メンバーは中・高の副校長、同じく生徒指導を行う生徒課長や生徒課の教諭、事務部長の7名。男性にも参加していただき、私もそうですが本校の卒業生も含むなど、多彩なメンバーで検討を開始しました」
10月に制服販売店向けに「制服統一に係る方針説明会」を実施し、翌年の2月にはコンペを実施した。「着用したときのスタイルや着心地、素材の機能性や縫製のでき映え、製品供給の安定性など、総合的な観点から」(長屋副校長)一元縫製の委託先としてAKASHI S.U.C.を選んだ。
選定理由は、蓄熱保温やデオドラント機能をもつ高機能素材の採用や生徒が長く着ることができる成長対応、他社にない6年間の破損補修などサポート体制、そして細かな部分を指摘したがその意図を汲んで対応してくれたことが大きかったという。「最終的に決まった制服の見本を示すと、教職員の間から満足の声が上がりました」