「社会に貢献する人材」を「産業界の現場に」送り出すことを第一義に教育を行う芝浦工業大学の附属校。75%の生徒が理系に所属し、今年から高等学校理工系女子クラスを開設しました。
〒135-8139
東京都江東区豊洲6丁目2番7号
ジャケットの胸ポケットには、学校のシンボル「敬愛の像」のフォルムをモチーフにしたエンブレムがきらりと光るアクセントになっています。高級ウールの素材を使用したジャケットに、スカートは学校オリジナルのチェック柄でコーディネートしました。
キャンパスの移転に加え、高等学校理工系女子クラスの開設による学校改革の一環として制服改定に踏み切りました。
知性感じさせる新制服
素材には高級ウールも
「理系教育を進めるに相応しい知性が感じられる制服」「凛々(りり)しい(いきいきとして賢い)雰囲気のある制服」「世界に羽ばたく人材にふさわしい制服」――。芝浦工業大学中学高等学校(大坪隆明校長、生徒数1065人)が今年4月から着用する新制服に求めたイメージだ。
「本校は今年4月からキャンパスを、現在の板橋区から江東区豊洲に移転。同時に高等学校理工系女子クラスの募集を開始するなど、新たなスタートを切ることになります。その“節目”ということ、女子生徒が入学してくるということから、制服改定に踏み切りました」
同校の髙橋英男教頭は改定理由についてこう説明する。
まずは2013年にクラブ活動をはじめ制服、始業時間といった学校生活のルール全般を見直す「学園生活プロジェクトチーム」を組織して検討を重ねていった。「その中から制服に関しては、学校や生徒を代表する重要な“教育アイテム”であるという観点から、2014年11月に『制服選定委員会』として独立させました」(髙橋教頭)
メンバーは髙橋教頭を委員長に大坪校長と事務長、教員ら7名で編成。現行制服の分析から始め「実際に展示会に参加するなど、慎重に選定作業を進めました」
最終的に決まったコンセプトが冒頭に掲げた3項目。これを基に一昨年5月初旬、制服メーカー4社にプレゼンテーションを依頼した。「気を付けたのは価格競争にならないよう最初から価格を固定して発注したこと。そして最終的には素材やデザイン性、機能性、耐久性を柱に評価をしていきました」と髙橋教頭。その他にも「アフターフォロー面は信頼できるか」「会社の総合力は安心できるか」なども検討項目として掲げ、丁寧にチェックしていった。
結果、わずか1週間後の5月半ばにはAKASHI S.U.C.に決定した。「私たちが求めていたイメージがすべて体現されていましたので、まさに“一発回答”でした」と髙橋教頭。委員会で決めたが「事前に全教職員を対象に、関連情報をすべて公開していたこともあって、ほぼ全教職員が『満足』。大好評でしたね」という。
新制服は男女ともブレザー型。胸には同校のシンボル「敬愛の像」のフォルムをモチーフにしたエンブレムが輝く。「生地素材も高級です。オーストラリア南東のタスマニア島で飼育された羊=メリノ種から採れる細くて柔らかい、高級ブランドの服地として使われている『タスマニアウール』を70%使った生地を使っていて、さらに女子のスカートには、スコットランド№1の世界的キルトメーカー=キンロックアンダーソン社のタータンチェックも使っています」。また6万回の耐久試験もクリアするなど、品質と耐久性も兼ね備えているという。